注意しよう!間違いやすい敬語表現「様」

「正しい敬語」を使えていますか?

社会人としての経験を積み重ねている人の中でも、意外と
最初の勘違いのまま引きずってしまい間違った敬語を使っている人がいます。

当然ですが目上の人と接する機会が増えてくると間違った敬語を使うことは何もメリットがありません!
早めに正しい敬語をマスターして自信をもって相手と接することができるようにしましょう。


丁寧に使うときの
定番の「様」ですが、実は使ってはいけない時があるのを御存知でしょうか?

✕:~各位様、~様各位
〇:~各位

「各位(かくい)」とは複数人に対して書面やメールでよく使われる言葉です。
「各」という漢字は「おのおの、みんな」という意味を持ち、
「位」という漢字は“様”のような人に対する敬語の意味があります。
そのため「皆様」という敬語を指し、大勢を対象にしながらも既に一人一人を敬っている表現になります。
そのため、~各位様、~様各位という使い方は二重敬語になるため適切な使い方ではありません。

※「お客様各位」は?

日常の中でよく使われている「お客様各位」という言葉。
これは上記で述べた通り二重敬語のため、実は正しい敬語表現ではありません。
しかし、「お客各位」では日常で使うのに違和感があるため
社会的に「お客様各位」という慣用表現が当たり前に使われるようになりました。
間違った表現が一般化してしまった代表的な一例です。
類似で「お得意様各位」「ご利用者様各位」などの表現があります。

「各位」の注意点

上記で述べた通り本来の「各位」の意味は敬称を含んでいますが、
受け手側が必ずしもその意味を理解しているとは限りません。
ビジネスシーンにおいて、「正しく使う」ことも大事なことですが
受け手が正しく理解していなければ不要なトラブルを招く恐れがあります
例えば、特に職位の違う目上の方には個別敬称をつける場合は
「〇✕部長 及び関係者各位」のような言い換えを行うと良いでしょう。


また、企業そのものや学校、官庁など組織や団体そのものを指す場合は「
御中」を使います。
各位も御中も人に対して向けられる敬語という点では一緒ですが、
「各位」が対象組織の中の全員を指す言葉に対して、「御中」は対象組織の中の誰かを指します。

 

✕:~部長様、~社長様 〇:~部長、~社長

組織におけるポジションを指す「部長」「課長」「常務」「社長」などの役職名には、既に敬称が込められています。
役職名に様や殿などの敬称を付けることは二重敬語になるため正しい使い方ではありません。

役職名を使うときの注意点

上記で述べた通り役職名には既に敬称の意味が含まれていますが、
こちらも不要なトラブルを防ぐためにも相手にきちんと敬意が伝わるためにも
「営業本部 部長 〇✕様」のように、部門名+役職名+個人名+様の表現を使うと良いでしょう。

また、社外で自社の役職者を指す時は「部長の〇✕」のように呼び捨てにします。

社外の人と接するときは、例え自分自身より役職が上の立場の人でも身内と考えるため
自社の人間の立場を低くしへりくだって表現するのがビジネスマナーです。
敬意を向ける相手は自分の上司ではなく、社外の人ということを覚えておきましょう。